雨のち晴れ

子育て・考えたことやたわいのない日常を綴った日記です

不登校をどう考えるか

子育ての悩みの中でも、これは親は参るなと思うのが『不登校』だ。子供達の小学校でも不登校の子や半不登校状態の子は珍しくない。ママはとても苦労している。

最近は小学校のバザーなどがあり、ちょくちょく学校へ顔を出していたのだが、そんな中、数年前役員を一緒にやったHさんがこぼしていた。

「ずっと調子よかったんだけどさ、また最近ダメなんだよね…昨日の夜も『絶対行かない』って言い出してさ、今日はなだめて遅刻してやっと連れてきたの。私達の子供の頃って、不登校ってなかったじゃない?学校行かなくなったら人生終わりみたいなさ。私はそう考えちゃうからつい、キー!ってなっちゃうんだよね…。」

うん。うん。と聞いている。何か助けになるような事を言ってあげたいと思うのだけど、私はあまり情報を持っていないのだ。それに、不登校の原因ってその子によってそれぞれなので、いい加減な事は言えない。

 

その子は、私の印象だと、おとなしいけど、気難しい性格。記憶力が良く、郷土カルタの名人。算数が得意。お母さんの話からすると、プライドが高く、友達にちょこっと嫌な事を言われるだけでダメージが大きい。クラスで何か決める時、反対意見を言われるだけで泣いてしまう。いじめられてはいない。今回は学校に行きたくない理由が分からない。多分、彼の中で何か納得がいかない事があるんだろうけど。という、小6の男の子だ。

多分、アンテナの感度がよすぎちゃうんだろうな…。

 

また、近所の友達の子は、診断してもらった訳ではないのだが、起立性調節障害でなかなか朝起きられない。寝つきは悪いものの、夜はなんとか早く寝かすのだが、それでも朝が起きられない。やっと起こしても、ボーっとしてしまって、いつまでも着替えが出来ない。通学班には先に行ってもらい、毎日ママが学校まで送る。学校に着いたら着いたで、友達の目を気にしてなかなか教室に入れない。たまたまいあわせた私もよく知っている子だけに、

「大丈夫だよ。誰も気にしてないから。」

と言うのだが、下駄箱の陰に隠れて、

「シー!シー!バレちゃう!」

と言ってらちが開かない。バレバレなんだけど…

「出口の見えないトンネルにいるみたいだよ。先が見えない。」

と彼女は言っていた。

 

 不登校が話題になった時、周りのママ、特に活発な子供のママや、たまたま問題がない子供のママが言いがちなのは、『学校行かないなんて言うのを親が許すのが悪いんじゃない?』とか、『私だったら、首根っこ捕まえて連れて来ちゃうけど。』といった、暗に親の甘やかしを指摘することだ。

 

そういう言葉に不登校の親は傷ついてしまう。そうでなくてもどう対応したらよいか常に迷い、自分の育て方が悪いのではないかと自問自答しているのだから。

昭和体育会系的な考えをなかなか捨てられない私も、そんなふうに考えがちだったので改めようと思っている。

子供の反応は、本当にそれぞれなのだ。例えば、うちの子供が友達に何か言われて学校に行きたくないと言ったとする。

「何?行きたくない?友だちにヘタクソと言われたから?今日また言われたら、人の嫌がる事言うな、って言いな。ハイ、行ってらっしゃい!」

私だったらまずはそんな対応になる。すると子供は渋々学校に行き、案外楽しくやって帰って来たりする。

こんなふうに、ちょっと背中を押してやるだけで、学校に行ける場合もあるのだが、そこでどうしても行けない子がいるという事を理解しなければいけない。

 

 

子供が不登校になった時、先生からの理解が得られないこともある。もう子供を安心して預けられないと感じたら、親としてはガンバレ、ガンバレと子供を学校へ押し出すのも辛くなる。

かといって、いつまでも引き篭ってはいられない。子供もいずれは、独立して自分で食べて行かなければならない。 その為には、この社会で思うようにいかなくても、時間はかかっても、なんとか自分の気持に折り合いをつけて生きていく術を身に付けてほしい。

そうなると、もう地域の小学校にしがみつく事もないのかもしれない。

子供の成長には、たとえ何らかの理由があって学校に適応出来なくても、生き生きと活動できる場が必要だと思う。私が知っている限りの不登校の子は、実は本人が1番学校に行きたいと思っている。行きたいけど、行けないのだ。なんとしてでも、その子に一番合った環境を、探してやりたいものだ。

 

 不登校の親の抱える悩みは深い。いくら子供の気持に寄り添おうと思っても、やはり、世間の目を無視出来ない。それに、このまま不登校が続けば、勉強も遅れて、ますます授業が辛くなる。今後の進路への不安もある。不登校を考える時、先生をはじめ、周囲の理解は大事なポイントだと思う。

 

陰ながらではあるが、暖かい視線で不登校の子の成長を見守りたい、不登校の子を持つ親を応援したい、と思う今日この頃だ。