雨のち晴れ

子育て・考えたことやたわいのない日常を綴った日記です

いじめに対して親が出来る事は何か考え中。

神奈川の自主避難児童のいじめについて、なんとも言えない憤りを感じている。長期の不登校になる前に何とかならなかったのだろうか。

いじめについては色々と思う事が多く、まとまらないし、結論を見いだせそうにない。今後考えが微妙に変わるかもしれないが、書いてみようと思う。

被害児童は家から150万ものお金を持ち出している。学校は自発的に渡したのだと判断したそうだから、子供の事だ、恐らくそう判断するに足る言動があったのだろう。

ならば、どうしてそこで友達にお金をあげようと思ったのかを深く聞いてあげられなかったのだろう。早い段階で、いじめた生徒にお金についての指導はなかったのか。

  150万ものお金を持ち出して親は気が付かなかったのかと非難する人がいる。では、150万ものお金を使って派手に遊んでいた子供の親は何も気が付かなかったのか?

2年生からいじめが始まったのならば、周りの子供から親の耳に情報が入るのは容易だろう。

周囲の保護者はおかしいとは思わなかったのだろうか?

どの保護者も騒がなかったのだろうか?

「あの子達、最近どうなの?」「先生、ちょっと気になる事を子供からきいたのだけど~」と担任の先生に切り出すのは、お節介になるのだろうか。

  福島から自主避難をしてきて、知り合いも少ない親が、単独で対応するのはどんなに大変だったろう。

私は以前、福島から自主避難してきたママの話を聞く機会があった。非難してきた人の中には、非難してきた事を隠して生活する人が多いという。買い物をする時は、敢えて遠いスーパーまで行くと言っていた。何故なら賠償金で買っていると思われるから。

…なんて事だろうと思った。言葉がなかった。

「あの家は賠償金でいい暮らしをしてる」など子供に話す親がいるとしたら、悲しいとしか言いようがない。子供達の未来は暗いとさえ思う。

周囲の保護者の中に、「子供からこんな事聞いたのだけど大丈夫?」って声をかける人は誰もいなかったのだろうか。

 

いじめを考える時、必ずつきまとうのは、いじめられる方にも原因があるというやつ。実際に自分の子供がいじめられてみると、学校に問い合わせるのを躊躇する気持ちも分かる。

うちの子にも原因があるのではないか?

ちょっと意地悪を言われた位で大騒ぎしてよいものか?

自分の子の言い分を100%信じてよいのか?

そんなふうに考えてしまう。

でも、そういう時こそ迷わず周囲の助けを借りるべきだ。まずは、お友達関係から実態はどうなっているのか情報を集めたい。

担任の先生とは積極的に情報交換すべきだと思う。躊躇なく。

 

昔からいじめとお金は親戚みたいなものだ。お金の影にいじめあり。親としては、子供がお金を使う時は出どころや流れを把握しておきたい。

  子供がお金を使う時のしょーもない例を少し書いておきたい。

 何年か前、子供にせがまれ駄菓子屋に付き合ったら、あまりの無法地帯にア然とした。

「○○ー、 100円ちょーだい!」

「オマエにもう500円貸してんだろ。返せよ!」

「金持ってきてないの?ガム買ってあげるよ。」

「いぇーい!10円当たり券ゲット!」

「ちょーだい!ちょーだい!ワーワーワーワー!」

そんな言葉が飛び交っている。 本当に、しょーもない!さすがに何人かのお母さんと注意した。

 

以前登場したR君は常にお金を持って歩いている。R君はスネ夫のように、お金で友達の気を引いているような所がある。気に入っている友達にはジュースや菓子を奢ってあげ、ドン臭いのび太のようなK君には奢ってあげない。

3年生の時、しょんぼり砂をいじっているのび太の横でスネ夫次男が、スネ夫に奢って貰ったジュースを飲んだ事実を聞き、怒りで震えたのを思い出す。

まさかと思うが、次男スネ夫に「買って」と言ったのか。

例えば、のび太に分けてあげようとは思わかなったのか。

例えば、のび太に買わないなら僕も要らないと言えなかったのか。

のび太はどんな気持ちでいたと思うのか。

何故、君はそんなに流されやすいのか。

そんなような事を怒りながら話した事があった。

子供にお金を持たせると、もれなくトラブルという特典がついてくる。いじめが見え隠れする。子供にお金を持たせる時は、充分に注意するようにしている。

 

いじめをなくすのは難しい。人の心は弱い。大人でも他人を蔑む事で自分を保とうとする弱い心が隠れている。この私にも。危ないので、時々自分の言動を振り返ろうと思っている。

でも、子供がいじめをこじらせて不登校になったり、自殺へ追い込むような不幸はどうしても避けたい。

 今回の件は学校や教育委員会の対応に問題があるのは明らかだ。真剣に改善してほしいと思う。 

では、現場の親としては何が出来るのか。

単に学校のせい、教育委員会のせいだと非難するだけでは、問題の解決にはならない。先生の対応にも力の差が出るのは仕方がない事だ。そこを責めてもどうしようもない。

若いママにはあまり受け入れて貰えない事を承知で言おう。ここはやはり、周囲の保護者や学校や地域との関わりを大事にしていくしかないのではないかと私は思っている。

私の実感としては、トラブルが起こった時一番頼りになるのは、やはりママ友だと言わざるを得ない。多方面からの情報なくして戦略はたてられないと思うからだ。

理想を言えば、親同士情報交換できる環境があり、スピーディに対応出来れば強い。小火のうちに。いじめをこじらせる前に。不登校になる前に。

子供の言動は未熟で利己的だ。“この子は悪い子”という目線ではなく、その場その場で気が付いた大人に教えてもらえたらお互いに助かる。

どんな子供もいじめる側にもいじめられる側にもなる要素がある。いじめ以外でも、何か悪さをして他の保護者に注意されるような事があったら、ナーバスにならずに怒ってくれてありがとうという気持ちで対応できたら理想的だ。

ただ、そう思えるようになるには、日頃から人間関係を作っておかないと難しい。やはり、我が子がよく知らない保護者に注意されたとなれば、親としては萎縮してしまうだろう。だから多分忙しい保護者にはなかなか受け入れて貰えないだろうな、と思っている。

 

 以前、役員のお務めとして人権講座に行かされたことがある。イヤイヤ受けた講座だが、なるほどと思わされたことが1点。

部落差別を無くすために効果的だったのは、徹底した教育だったそうだ。県ではその地域の高校に人権教育専門の教師を配置し、指導に力を入れたことにより、喧嘩の件数が減った。

人を差別する事、いじめる事はいけない事、恥ずかしい事なのだとくり返し教える。”また言ってるよ”と思われても、くり返し教える。

このあたりがいじめ撲滅の鍵なのかもしれない。

 

被害にあった中1男子が生きていてくれて本当に良かったと思う。心の傷はなかなか癒えないかもしれないが、力強く生きていってほしいと願う。